【舞いあがれ!】史子は「ちむどんどん」の愛となるのか、それとも単なるモブキャラで終わる?

 これは三角関係の勃発か、それともちょっとした恋のエピソードに終わるのだろうか。

 2月9日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第90回では、長山短歌賞を受賞した梅津貴司(赤楚衛二)のもとに秋月史子(八木莉可子)なる女性が来訪。自作の短歌を初めて他人に読んでもらい、感動する姿を見せていた。その史子を、過去の朝ドラ作品に重ね合わせる視聴者もいるという。

 貴司が営む古書店のデラシネを探し当てた史子。貴司は奥の居間へと案内し、史子の詠んだ短歌に目を通しては「こんなふうに世界をとらえる人がいてはんねんなって、新鮮で」とべた褒めだ。

 ずっと一人で短歌を作ってきた史子は「短歌は私の命」と言い切り、それを否定されたら生きていかれへんとの強い思いを吐露。貴司の短歌を読んだ時に「この人にやったら見せられると、初めて思ったんです」と、貴司に打ち明けていた。

「そんな史子は帰り際、店番をしていたヒロインの舞(福原遥)に『奥様ですか?』と質問。『違います、そんなんやないです!』とかぶりを振る舞に対して、『よかった』と笑顔を見せていました。その反応は明らかに、舞に対する警戒心と安どの表れでしたね」(女性誌ライター)

 史子の態度は、女性として貴司に好意を抱いていることを示していた。あくまで歌人としての尊敬だけなのであれば、その妻に対しても敬意を示すはずだからだ。

 貴司を担当する長山出版の編集者・リュー北條(川島潤哉)は以前、「歌集売りたいなら、顔が大事よ?」と断言していたもの。短歌賞受賞の発表時には貴司の顔写真も掲載されていたのは確実で、その男前ぶりも史子を惹きつけた要素の一つだった可能性は高い。

 しかも貴司は、連絡もなく押し掛けた史子を嫌な顔ひとつも見せずに受け入れ、彼女の求めに応じて短歌に目を通していた。そんな対応をされたら史子が貴司にぞっこんになってしまうのも当然。そこで貴司と親し気な美人の舞を見たら、結婚しているのかどうかが気になるのも当然だろう。

貴司と史子が話し合う姿を不安げな表情で見つめる舞。トップ画像ともに©NHK

「貴司と長年の幼馴染である舞にとって、若き史子は恋敵となるのか。ここで気になってくるのは、史子の登場シーンが今後どれくらいあるかです。朝ドラではキーパーソンと思える人物が長きにわたって出演する場合もあれば、ほんの数回で出番を終えるパターンもあり、史子がそのどちらに該当するのか、現時点ではまだ不透明だと言えるでしょう」(前出・女性誌ライター)

 その例として分かりやすいのが、前作の「ちむどんどん」だ。ヒロイン比嘉暢子は幼馴染の青柳和彦と結婚するが、和彦には大野愛という長年の恋人がいた。その愛は第37回で初登場し、第70回でパリに旅立ってしまうまで、実に34回にもわたって登場。物語中盤における主要人物となっていたのである。

 その一方で、ほんの数回で出番を終えたモブキャラも少なくない。第66~67回には西郷久雄とめぐみの父娘が登場し、久雄の再婚を巡って亡き母との思い出であるリゾットが重要な役目を果たすエピソードとなっていた。これで暢子があらためて料理に向かい合うことになり、西郷親子はそのツールとして2回限りの登場となっていたのである。

「果たして史子は今後も愛のように主要人物であり続けるのか、それとも西郷親子のようにちょっとした物語のスパイスに終わるのか。いずれにせよ舞と貴司の煮え切らない関係を動かすためのツールという役割を担っていることは確実でしょう」(前出・女性誌ライター)

 視聴者には、舞が貴司とゴールインすることを望む声もあれば、新たな恋を見つけることに期待する向きもある。それとも前々作「カムカムエヴリバディ」の三代目ヒロインだった大月ひなたのように、仕事に没頭することで独身を貫くのか。ともあれ誰しもが、舞の恋の行方に興味津々なことは間違いないようだ。