それ順番がおかしくない? そんな呆れ声が続出していたようだ。
3月3日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第106回では、ヒロインの梅津舞(福原遥)が新会社の「こんねくと」を設立。大手新聞社を退職した御園純(山口紗弥加)をパートナーに、東大阪の町工場を繋ぐ仕事をスタートさせた。その起業に至る過程がなんとも異常だったという。
起業を目指す舞は、投資家で兄の岩倉悠人(横山裕)にアドバイスを仰ぐことに。悠人からは家業である株式会社IWAKURAの子会社として立ち上げるのが唯一の方法だと提案され、IWAKURAの社長で母親のめぐみ(永作博美)も同意していた。
新会社設立が決まり、IWAKURAの従業員に対して退職の挨拶をした舞。これで舞が新会社の社長に横滑りすると視聴者も思ったことだろう。ところがここで常識ではありえない展開が待っていたのである。
「退職後の舞は『起業までにやること』というto doリストを作成。そこには『屋号を決める』『開業届を提出する』といった文言が並んでいました。なんと舞は、起業する前に退職していたのです。しかし新会社をIWAKURAの子会社として設立すると決めたからには、この展開はありえないはずなのですが…」(前出・週刊誌記者)
法律的には舞が退職してから子会社を設立することに問題はない。とはいえ社会保険や年金の引き継ぎを考慮するなら、先に子会社を設立しておくのが常識だ。そもそも舞が一時的に無職になるメリットなど皆無なことは明らかだろう。
もっとも舞の場合、母親の全面バックアップを受けていることもあり、無職になっても生活に困ることは一切ない。それではビジネスパートナーの御園はどうだろうか?
御園は舞に「退職してきた!」と報告。なんと彼女まで、会社設立より先に退職していたのである。しかし二人で会社を始めると決めたのであれば、会社の設立が確定してから退職すればいいだけのこと。なぜわざわざ自分から無職の期間を作るのか、これまた理解不能だろう。
「脚本家や制作陣に起業経験がないのは致し方ないにしても、社会人としての常識で考えれば、先に会社を辞めるのがいかにおかしなことはなのかは分かりそうなものです。そもそも新会社のtodoリストを舞が一人で作っているのも不自然。普通なら舞が社長、御園が副社長や専務になるので、定款でもなんでも二人一緒に考えるはずなのですが…」(前出・週刊誌記者)
第105話のラストシーンでは新会社「こんねくと」の看板をビルの前に設置。しかも事務所の2階にはかなり立派な袖看板も設置されていた。どうやら開業資金には何ら困っていない様子だが、会社の設立でさえまともな段取りを踏めない舞に、経営ができるのか。視聴者も心配でたまらないことだろう。