波瑠、「ナイト・ドクター」でエピソードの主役を他に譲る“秘めた存在感”

 これぞ似て非なるもの? 同じ救急救命チームを主軸に据えた「ナイト・ドクター」と「TOKYO MER」が、好対照な展開を見せているという。

 月9ドラマの「ナイト・ドクター」(フジテレビ系)では、主役の波瑠が救急救命センターに勤める6年目の医師・美月役で出演。同チームでは11年目の先輩・成瀬(田中圭)や、ベテランの指導医・本郷(沢村一樹)らがチーム全体にニラみを利かせている。

 それに対して「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(TBS系)では、緊急救命チームのTOKYO MERを率いるチーフドクターの喜多見幸太(鈴木亮平)が絶対的な主役だ。ストーリー上は研修医の比奈(中条あやみ)が悩みながら成長する姿もひとつのテーマとなっているものの、物語の中心はあくまで喜多見。チーフに就任する前の経歴に謎の空白があったり、循環器外科医の千晶(仲里依紗)とかつて夫婦だったことが判明するなど、喜多見の正体探しが大きなテーマとなっているのである。

「一方で7月12日に放送された『ナイト・ドクター』の第4話は、波瑠の同僚で3年目の医師・幸保(岡崎紗絵)が主役の回となっていました。階段から落ちたとして運び込まれたインスタグラマーの詩織(松井愛莉)が、なぜか自分の彼氏に付き添われているのを見た幸保は、二股や裏切りを疑うことに。そこから詩織と取っ組み合いのケンカまでするのですが、一方では詩織の治療に尽力するなど医師としての使命感も発揮。人生に悩む若き医師を好演していました。この回での波瑠は完全に脇役に徹しており、本作の相関図を知らない視聴者には幸保のほうが主役に見えたかもしれません」(テレビ誌ライター)

 ただ一話全体を通してみると、波瑠の演じる美月はどのキャストにも必ず絡んでおり、彼女を中心にストーリーが展開していることが見えてくるのである。

撮影現場にて田中圭の誕生日を祝うキャストたち。ここでも波瑠は主役に見えない?ドラマ「ナイト・ドクター」公式インスタグラム(@nd_fujitv)より。

「この『ナイト・ドクター』は若い医師たちによる青春群像劇の要素が色濃く、毎回のように主役が交代。そのなかで波瑠は全体を繋ぎとめる役割に徹しています。この存在感は経験の浅い女優に務まるものではなく、中一からの17年に及ぶ長い芸歴と、NHK連続テレビ小説『あさが来た』のヒロインも務めた確かな経験に裏打ちされたもの。もちろん『TOKYO MER』で絶対的エースとしての主役を演じる鈴木亮平の存在感も半端ないのですが、波瑠はまた違った面から彼女だからこそ務まる役割を引き受けているのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)

 7月19日放送予定の第5話では、医療訴訟に巻き込まれている成瀬(田中圭)が物語の中心となる模様。その回でも波瑠はたしかな存在感を示してくれることだろう。