よもや「紅白歌合戦」の総合司会まで務めた名アナウンサーが、そのもたつきぶりを「アイドリングストップ」呼ばわりされるとは、当人も驚きだったことだろう。
10月18日放送の「しゃべくり007」(日本テレビ系)では有働由美子が同番組に初登場。スタジオの大階段から登場するや否や、上田に対して身体を直角に折り曲げて深々とお辞儀をしてみせた。
その有働は「上田晋也のせいでトラウマになり、バラエティは今日が最後のつもりで来たという方です」と紹介されることに。どうやら番組MCのくりぃむしちゅー上田晋也に、トラウマを植え付けられたというのである。
「有働は8月22日~23日に放送された『24時間テレビ 44』(日本テレビ系)での出来事を説明。上田と二人で司会を務めた深夜帯の『最強メダリスト集結!想い~ガチ対決で世界は変わるSP』というコーナーでは、有働がバラエティ慣れしていないことから上田はサブMCとしてサポートを約束していたそうです。ところがいざコーナーが始まると、有働が読むはずのカンペまで上田が勝手に読み始めてしまい、カメラを見据えたまま有働は固まることに。ほぼ一人で進行する上田に、少しでも割って入ろうとアイコンタクトを送るも、一度も目を合わせてくれなかったのだとか」(テレビ誌ライター)
そのエピソードに加えて、有働は本番前に少しでも打ち合わせをしようと早めにスタジオ入りしていたが、当の上田は本番の15秒前にやってきては「あーっ、はいよろしくー」といった具合で、有働は「打ち合わせどころじゃなかったんですよ」と愚痴っていたのである。
「その指摘に対して上田は、有働はバラエティ番組に慣れていないので遠慮がちだと言い訳。『俺は有働さんどうぞって思うけど、有働さん遠慮する、俺も引いてるじゃ進んでいかないじゃん、生放送だし』と状況を説明しました。その上で自分が先に行くと有働が『どうぞどうぞ』と譲るという展開となり『それが2時間続いただけ!』と主張していたのです」(前出・テレビ誌ライター)
その説明に有田哲平が「行かないわけね、有働さんが?」と確認すると、上田は「違う違う、アイドリングストップしてんのよ」と断言。その言葉に有田が「紅白の司会までやってきた人だぞ! 日本一のイベントを生放送しきった人だぞ」と反論するも、上田は「それがアイドリングストップ」とにべもなくあしらっていたのだった。
「ただ、上田が『アイドリングストップ』という言葉を使ったのも無理のないところ。というのもNHKの番組進行が染みついている有働には、台本通り進まないことも多い民放のバラエティはまったく異次元の世界であり、自分のセリフを上田に奪われた場面では思考停止に陥っていたのでしょう。それを上田から見れば、場を仕切るべき司会者がなぜか黙り込んでしまったと思うのも当然で、まさにエンジンが止まった状態=アイドリングストップと表現したくもなるのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)
その点については有働も「NHK時代から台本をしっかり頭に入れてやるので、どうも民放のバラエティ番組は上手くいかない」と認めていた。どうやらNHKと民放では、番組制作そのものが大きく異なっているというのだ。
「NHKでは番組のプロデューサーが自ら台本を書くことも少なくありません。そのため演者が勝手に台本から外れるなど許されるはずもないのです。それに対して民放では現場の演出担当者が大きな裁量を持っており、台本には『よきところで』などと具体的な指示ではなく場の流れしか書かれていないこともあるほど。そこから生まれるハプニングを楽しむのが民放流のバラエティなら、NHKのバラエティはしっかりと作りこまれたコントのようなものだと言えるかもしれません」(前出・テレビ誌ライター)
どうやら有働にとって「24時間テレビ」での体験は、30年にわたるテレビ業界生活の中でも相当に特殊な1日となっていたようだ。