いまや女性芸人に慕われる芸人として人気絶頂の阿佐ヶ谷姉妹が、あふれ出る“阿佐ヶ谷愛”を示してくれたようだ。
11月6日放送の「マツコ会議」(日本テレビ系)では、<エッセイが10万部! 生き方が支持される阿佐ヶ谷姉妹>をテーマに、阿佐ヶ谷姉妹の渡辺江里子と木村美穂がリモートで出演。回線がつながるや否や、MCのマツコ・デラックスは「あそこはどこなの? 青森のスナックみたいな」と、二人がいる中継場所にツッコミだ。
「二人がいたのは東京・杉並区のJR阿佐ヶ谷駅北口にある、カラオケボックスのオリーブ。安さが人気の同店は二人の行きつけで、カラオケを楽しむほかコントの練習場代わりにも使うなど、ファンにはおなじみのスポットです。番組では同店の外観を映し出し、マツコも『感慨深いわねえ。いまあの中にいるのよ!』とリモート画面を指さしていました」(杉並区在住ライター)
番組では二人が劇団東京乾電池の研究所で知り合い、コンビ結成に至った経緯を説明。マツコは阿佐ヶ谷姉妹が「THE W 2018」で優勝した際にネタ中で発した「J-PHONEも替え時ね」が象徴的なセリフだったと強調し、「アタシたちの世代だけでクスクス笑える感じ」「それを貫き通したから今がある」と激褒めだ。さらに「阿佐ヶ谷姉妹さんとロケとか行きたい」と語り、千葉・成田山の参道で鰻を食べたいとの希望を口にしていた。
そんな阿佐ヶ谷姉妹が、その人柄で人気を博したのは広く知られるところ。それに加え、彼女たちからあふれ出る「阿佐ヶ谷愛」が、地元民から広く支持される重要な要素になっているという。
「二人がテレビに出始めた当初、地元の杉並区民からは『阿佐ヶ谷、名乗っちゃってるよ!』と戸惑いの声もあがっていました。それでも彼女たちの他人を傷つけないネタが好感され、惜しみなく地元愛を語る芸風から視聴者のほうも二人が本当に阿佐ヶ谷に根付いていることを実感するように。もともと地元の商店主などから愛されていた人柄もあいまって、人気を獲得していったのです」(前出・杉並区在住ライター)
彼女たちが今でも住んでいる杉並区の阿佐ヶ谷は、JR中央線にある閑静な住宅街。新宿から中央線快速で3駅の利便性ながら、サブカルの聖地で知られる中野や、芸人やミュージシャンが数多く住む高円寺の陰に隠れる形で、全国的な知名度は少なかった。
昭和初期には“阿佐ヶ谷文士村”として知られ、井伏鱒二や太宰治、川端康成や大宅壮一といった錚々たる文士たちが居を構えていたもの。しかしテレビ時代にはさほど目立つことのなかった街だったのである。
「それでも駅前のマクドナルドでダンディ坂野が長年働いていたり、ニッチェ江上や斎藤工が阿佐ヶ谷会と称した飲み会を催していたり、駅の近くに爆笑問題のタイタンが所在するなど、お笑い文化には親和性の高い街でもありました。オードリー春日俊彰が住んでいたむつみ荘も駅から徒歩10分ほどの距離にあり、ファンがむつみ荘詣でをしていたもの。そのなかでも阿佐ヶ谷姉妹は住民との交流が深く、地元民から深く愛される存在となっていったのです」(前出・杉並区在住ライター)
11月8日にはドラマ「阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし」(NHK)もスタート。その宣伝シールが様々な店舗に貼られており、店側も「阿佐ヶ谷姉妹さんの番組ならぜひ」と快くシール貼付を引き受けている。そんな店やスーパーでお買い物を楽しんで、つかの間の阿佐ヶ谷姉妹気分を味わってみてはいかがだろうか。