【カムカムエヴリバディ】ひなた編で25年ぶりに回収された安子編の伏線とは!

 やっとその話が戻ってきたか! 放送初期から観ていた視聴者も、その場面に嬉しさを感じていたようだ。

 2月4日放送のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第67話では、ヒロイン大月ひなた(新津ちせ)の母親であるるい(深津絵里)が、福引で三等賞のラジオを引き当てることに。残念ながら骨董品レベルの代物ではあったが、そのラジオが今後、物語を大きく動かすきっかけになりそうだという。

 自宅に持ち帰ったラジオを点けると、スピーカーからは「しょうしょうしょうじょうじ♪」の歌い出しで知られる童謡の「証城寺の狸囃子」が流れてきた。一緒になって楽しそうに歌い踊るひなた。一方で母親のるいは、自分が幼児だったころの思い出がフラッシュバックしたのであった。

「るいは子供のころ、母親の安子(上白石萌音)と一緒に英語版の同曲『The Hungry Raccoon』をラジオで聴きながら、英語の歌詞を口ずさんでいたことを思い出しました。ここでるいは新聞のラジオ欄を確認。そこに『英語講座』の番組名を見い出していたのです」(テレビ誌ライター)

 その場面でナレーションでは「ラジオの英語講座が今でも放送されていることを、るいは初めて知りました」と説明。かつての安子編では母親の安子が「カムカム英語」で英語を勉強していたが、同番組はるいが小学校に上がる直前の昭和26年2月に放送を終了していたのである。

新聞のラジオ欄に「英語講座」の文字を見つけたるい。ドラマ「カムカムエヴリバディ」公式インスタグラム(@asadora_bk_nhk)より。

 そもそも本作のタイトルはその「カムカム英語」を元に命名されており、ラジオ英語講座は作品にとって重要な柱の一つ。ところが安子編の次に放送されたるい編で、ラジオは相変わらず重要な位置を占めていたものの、英語講座の話はまったく出てこなかったのだ。

「そのため視聴者からは《ラジオ英会話講座の話はどこ行った?》《もう英語が関係なくなってる》といった疑問が噴出。しかも時代が昭和50年代へと移り変わり、メディアの王様がラジオからテレビに変遷したこともあって、諦めの声もありました。ところが前回の第66話ではひなたが英語を話す外国人の少年に一目惚れ。これで物語の主軸をぐいっと英語に引き戻したうえで、年代物のラジオまで登場。これにより作中の時間軸で25年ぶりにラジオ英語講座が復活することになったようです」(前出・テレビ誌ライター)

 英語教室の月謝を出す余裕のない大月家では、るいとひなたの母娘が一緒にラジオ英語講座を聴いて勉強する可能性も高いはず。昭和26年には安子とるいで聴いていた英語講座を、25年の時を経て次の世代が受け継ぐという姿に、「伏線回収」を確信した視聴者も多かったのではないだろうか。