【カムカムエヴリバディ】民放の懐かし番組に視聴者喝采も、昭和51年に「まる子」の謎!

 50代以上の視聴者は、懐かしさのあまり感涙していたかもしれない? 2月8日放送のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第69話で、昭和51年当時のテレビ番組が次々と紹介された。そのラインアップに視聴者が喝采を送っていたようだ。

 一目惚れした少年ビリー(幸本澄樹)と英語で会話したいことから、ヒロインの大月ひなた(新津ちせ)はNHKラジオの英語講座を聴き始めることに。しかし放送が朝の6時45分からと早い時間のため、わずか一週間で挫折することとなった。

 そんなひなたは典型的なテレビっ子で、週末は夕飯の最中でもテレビに釘付け。その場面で流れていたテレビ番組はどんなものだったのだろうか。

「土曜日には視聴率50%越えを記録したお化け番組の『8時だョ!全員集合』(TBS系)を視聴。作中の昭和51年初夏には志村けんの歌う『東村山音頭』で大ブレイクしており、大月家のように親さえ許してくれれば子供たちはみなドリフを観ていたものです。そして日曜日には今でも定番の『サザエさん』(フジテレビ系)。おそらく版権の都合からいずれも音声だけでしたが、NHKの朝ドラに民放の番組が普通に流れる様子は驚きでしたね」(テレビ誌ライター)

 そんなひなたに、母親のるい(深津絵里)は「もぅ、テレビばっかり観て」と呆れ顔。一方で娘に甘い父親の錠一郎(オダギリジョー)は「まる子、果たして船に乗れるやのかな?」と調子を合わせ、ひなたが「なぁ!」とうなずく場面も。しかもるいまで「ホンマや…」と、ストーリーが気になっている様子だ。

テレビに釘付けのひなた。当時の朝ドラ「雲のじゅうたん」だけは映像も使われていた。ドラマ「カムカムエヴリバディ」公式ツイッター(@asadora_bk_nhk)より。

 ただ、この場面には一部の視聴者から疑問の声もあがっていた。アニメ「ちびまる子ちゃん」(フジテレビ系)は平成2年スタートで、物語時点では姿も形もなかったからである。そもそも「ちびまる子ちゃん」の原作者であるさくらももこ氏はひなたと同い年の昭和40年生まれ。作中の時間軸ではまだ小学5年生なのに、なぜ錠一郎は“まる子”のことを話題に出したのだろうか?

「それは“まるこ違い”ですね。錠一郎が言及していたのは、当時放送されていたアニメ『母をたずねて三千里』(フジテレビ系)の主人公であるイタリア人の少年、マルコ・ロッシのことでした。この場面の直前には、るいからお風呂に入るように促されたひなたが『「母をたずねて」観てから』と答える場面も映っています。40代以下の視聴者にはピンと来ないやり取りではありましたが、昭和51年当時を覚えている世代の視聴者はマルコの顔が頭に浮かんでいたことでしょう。そのマルコは南米アルゼンチンに出稼ぎに行っている母親に会うため、船に乗って大西洋を渡ろうとしていたのです」(前出・テレビ誌ライター)

 風呂上がりのひなたが口ずさんでいた「朝ぼくを おこしたおひさまが♪」という歌は、「母をたずねて三千里」の挿入歌である「かあさんおはよう」という曲。それがピンときた視聴者は50代以上の人が多いことだろう。

 一方でこの回では、もう中学生が司会者に扮した「ノストラダムスの大予言」の特集番組も映し出されていた。だがこの時にチャンネルが示していたのは2番で、京都ではNHK総合だ。果たして当時、NHKが「ノストラダムスの大予言」など扱っていたのか。気になってしょうがない視聴者も多かったのではないだろうか。