【カムカムエヴリバディ】母親の安子とは和解できていた?2022年のるいに驚きのポイントが!

 これまで一度も見せたことのなかった姿に、驚く視聴者も少なくなかったようだ。

 親子三代にわたる100年の物語を紡いでいる、NHK連続テレビ小説の「カムカムエヴリバディ」。4月4日放送の第108話では作中の時代が2003年のクリスマスにまで進むなか、少しだけ2022年のシーンも描かれたという。

 冒頭では、すでにおなじみの場所となった岡山のジャズ喫茶「ディッパーマウス・ブルース」の店内が。ピアノを弾いているのは大月錠一郎(オダギリジョー)だろうか。だが店内には店主の柳沢健一(世良公則)やその孫の慎一(前野朋哉)の姿はなく、代わりに白髪交じりの女性がコーヒーを淹れていたのである。

「コーヒーのドリッパーにお湯を注ぎながら『おいしゅうなれ おいしゅうなれ』とつぶやいているその女性は、錠一郎の妻、るい(深津絵里)だったのです。そこに娘のひなた(川栄李奈)から電話が入り、ひなたは海外から関空に戻ってきた様子。作中では今が何年かは明示されていませんでしたが、公式ツイッターには《最終週の月曜日は、2022年から始まりました》との説明があり、昭和19年(1944年)生まれのるいが78歳を迎える年になっていたようです」(テレビ誌ライター)

 どうやら2022年の現代においてもるいと錠一郎は健在な様子。そして57歳を迎えるひなたは海外と日本を行き来する仕事に就いているようだ。そんな現代のシーンはわずか2分弱で終わっていたが、その短い場面の間に、2003年のクリスマス以降に起こった出来事が暗示されていたというのである。

「それはるいの髪型です。髪をひっつめにして後ろで三つ編みに束ねている彼女は額を全開に。そこには幼いころに負った傷がくっきりと残っていました。しかしるいは、母親の安子(上白石萌音)が起こした自転車事故が原因で負ったこの傷を生涯、隠し続けていたはず。それを堂々と見せているということは、6歳の時に生き別れになった母・安子と和解することができたという何よりの証拠ではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)

るいがひなたを産んだ場面は、額の傷が露わになる貴重なシーンの一つだった。ドラマ「カムカムエヴリバディ」公式ツイッター(@asadora_bk_nhk)より。

 るいは前髪を伸ばすことで額の傷を隠しており、たまに人に見られると大きなショックを受けていた。クリーニング店に住み込みで働いていた17~18歳のころは、弁護士の卵こと片桐(風間俊介)と映画館デートにまで発展するも、額の傷を見た片桐が呆気にとられた表情をしたことで、二人の仲は終わっていたものだ。

 その後に出会った錠一郎はるいの傷を見ても一切の動揺を見せず、むしろ温かく受け入れることに。それが錠一郎と結婚する決め手の一つとなったのだが、その後もるいは二人の子供に恵まれるようになっても、額は隠し続けたまま。作中の2003年にはすでに59歳と還暦目前だったにも関わらず、相変わらず前髪で額を隠していたのである。

「それが2022年の場面で額を出していたのは、決して年老いたからではなく、安子に対して抱いていたわだかまりが何らかの形で解消された証なのでしょう。そう考えるとるいと錠一郎の夫婦が岡山のジャズ喫茶を継いだのも、母・安子の故郷でもある岡山に骨をうずめようと思ったからではないでしょうか。安子に再会することができたかどうかはまだ不明ながら、2022年の大月家が幸せそうに暮らしていることは、この物語がハッピーエンドで終わることを明示しているに違いありません」(前出・テレビ誌ライター)

 ジャズ喫茶の場面でるいは「朝ドラの時間やで」と促し、錠一郎がテレビを点けていた。そこに映し出されるのは「カムカムエヴリバディ」なのか、それとも次期朝ドラの「ちむどんどん」なのか。ともあれ作中の2022年にはとても幸せな時間が流れているようだ。