この3人、いったい誰が一番偉いのか。そして入社年次はどんな関係なのか? 視聴者も相当混乱していたようだ。
4月20日放送のドラマ「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~」(日本テレビ系)第2話では、出世を目指すヒロインの田中麻理鈴(今田美桜)が、人事部で奮闘する姿が描かれた。
前回の第1話では<三流大学を四流の成績で卒業した>という麻理鈴が、総務部の備品管理課という窓際部署に配属。そこで謎めいた先輩社員の峰岸雪(江口のりこ)から、夢を叶えたかったら出世を目指すようにたきつけられていた。
そして今回、人事部に異動した麻理鈴。彼女を厳しく指導するのは、バリキャリ課長の夏目聡子(石田ひかり)だ。夏目から社員食堂での遅いランチに誘われた麻理鈴だったが、廊下で出くわした峰岸を「一番仲の良い先輩」と紹介したところ、夏目課長の態度が急変。それまで可愛がっていた田中に対して、急にイジワルするようになったのである。
「この時点で夏目と峰岸の関係性は分からなかったものの、終盤では一人で飲んでいる峰岸のもとに夏目が訪れ、『あんたのことシカトしてんのもバカバカしくなっちゃった』と告白。峰岸は終始敬語で話しかけており、どうやら夏目のほうが先輩のようです。ただ見た目だけではどちらが年上なのか分かりづらいうえ、第1話では峰岸が《女性初の役員候補》だったと明かされていたこともあり、実は夏目のほうが上司だということに驚く視聴者もいたようですね」(テレビ誌ライター)
この二人、石田が49歳で江口が41歳と実はけっこうな年齢差があり、ドラマの役柄も実年齢に沿ったものとなっている。だがとてもアラフィフには見えない石田と、独特な存在感ゆえに年齢不詳の江口という取り合わせでは、社内での上下関係が見えづらかったようだ。
そしてもう一人、やはり年齢と役職の位置づけが分かりづらかった社員がいたという。それはカスタマーセンター部でグループリーダーを務める三瓶花子(阿佐ヶ谷姉妹・渡辺江里子)だ。
三瓶は極秘のリストラ候補者リストに名前が載っており、生年月日は1972年10月7日と記載。渡辺自身も1972年7月15日生まれで、49歳という等身大の役を演じている。その年齢でグループリーダー(主任)止まりという現状が、彼女たちが勤務する大手IT企業のオウミが、実は典型的な男性社会であることの象徴となっているようだ。
「ドラマの終盤では三瓶が、新入社員だった夏目の指導役を務めていたことも判明。『女がお茶くみばっかりやってたらダメだと思います!』と夏目が主張していたこともハッキリと覚えていました。そんな二人が30年近くの歳月を経て、片や部長昇進も期待される課長として活躍し、片や主任止まりと立場が逆転。そして演じる石田と渡辺の二人は同い年という状況に、視聴者もすっかり混乱していたようです」(前出・テレビ誌ライター)
ちなみに新人社員役の今田は早生まれの25歳で、大卒なら4年目になる年齢。そして彼女に好感を抱いているアルバイト清掃員の山瀬を演じる高橋文哉は意外にも、4学年下の21歳だ。
社員と学生アルバイトという関係ゆえ年齢の上下は合っているものの、まさか高橋がそんなに若いのかと驚く視聴者もいるはず。そんな「悪女(わる)」ではまず、出演キャラクターたちの上下関係をしっかり把握することが、物語を理解する際の大事なキーとなりそうだ。