大学対抗女子大生アイドル日本一決定戦「UNIDOL」、結成4年目の「夏目坂46」が初優勝!

 大学対抗女子大生アイドルの日本一決定戦「UNIDOL 2022-23 Winter 決勝戦/敗者復活戦」が2月15日にZepp Haneda(TOKYO)にて開催。2019年に結成された「夏目坂46」(早稲田大学)が初優勝を果たした。

 UNIDOL(ユニドル)は、UNIversity IDOL(女子大生アイドル)に由来しており、日本中の大学から女子大生アイドルのコピーダンスサークルが一堂に会する大会。様々なアイドル曲で盛り上がれることから、アイドル好きを中心に話題を集めてきた。今回で19回目を迎え、前回大会より出場チームが増加。それに伴い決勝進出枠も増えたなか、よりクオリティの高いパフォーマンスによる激しい戦いが繰り広げられた。

 今回の大会テーマは「空の旅」で、キービジュアルは飛行機の機内から見える幻想的な世界をイメージしている。中央には羽田の地を連想させる飛行機が、ロゴの周りにはUNIDOLを連想させるペンライトやマイクをモチーフにしたオブジェクトが散りばめられている。

 本大会の敗者復活戦では、元PASSPO☆の増井みおがMCを担当。大会テーマに合わせて客室乗務員のような衣装で登場した姿には、CAをモチーフにしたPASSPO☆で活躍していた当時を思い出した観客も多かったことだろう。

 決勝戦では元モーニング娘。の飯窪春菜が、快晴の青空を思わせるような水色のドレス姿でMCを担当。元人気アイドルの二人に加えて、シークレットゲストには元Juice=Juiceの宮本佳林が登場し、圧倒的な歌唱力で会場を盛り上げた。

 決勝戦には東京・大阪・名古屋・福岡・札幌の全国5大都市で行われた予選から進出した15チームに加え、本日の敗者復活戦を勝ち抜いた3チームが出場。パフォーマンスの審査員はCRE8BOY、みつばちまき、貝塚翔太朗、稲着達也が担当した。

客室乗務員風の衣装で登場した元PASSPO☆の増井みお。

空色のドレス姿があでやかだった元モーニング娘。の飯窪春菜。

 出場チームは審査員も評価に悩むほど、それぞれの個性を生かしたクオリティの高いパフォーマンスを披露。そのなかで見事優勝を勝ち取ったのは、結成4年目の早稲田大学「夏目坂46」だ。審査員順位1位、会場観客票2位、オンライン観客票2位となり、総合得点467点での圧勝劇だった。

 UNIDOLのなかでも歴史の浅い夏目坂46は、創設メンバーがラストイヤーで掴んだ優勝。練りに練られた構成や表現豊かなパフォーマンスには熱い想いが込められていた。

 決勝戦で披露したのは、「渡り鳥たちに空は見えない」(NGT48)、「Cage」(日向坂46)、「ハロー to the world」(わーすた)、「ここにはないもの」(乃木坂46)の4曲。大人数での揃ったダンスやストーリー性のある構成、大胆なフォーメーションなど細部までこだわりを感じるパフォーマンスで会場を魅了した。

夏目坂48。

8分間のパフォーマンスでは「鳥」がテーマとなっていた。

 受賞後には、「応援してくださったみなさま、支えてくださったメンバーのみなさん、家族のみなさん、本当に本当にありがとうございます」と感謝の気持ちをコメント。予選では2位に終わり、滑り込みでの予選通過と振り返りつつ、「審査員順位が悪かったり悔しい点が本当にいっぱいあって、その悔しい点を全部、改良したくて」と、決勝に懸けた想いを吐露。17人の大会出場メンバー全員が本気となり、学業がおろそかになる部分もあったなか、「本当にみんながこの大会にすべて懸けられたと思います」と明かしていた。

 チーム創設時のメンバーは4年生で、間もなく卒業を迎える点については「本当に良い送り出しをすることができて良かったです」と感激の様子。その上で自分たちはもう敗者復活戦最強チームではないと自信を示し、「優勝候補チームとして、優勝常連チームとして名を連ねられるようなチームにこれからも成長して行きたいと思います」と力強く呼びかけた。

優勝に喜ぶ夏目坂46のメンバーたち。

 準優勝には審査員順位2位、会場観客票3位、オンライン観客票1位、総合得点445点で同志社大学「やっぱりまかろん。」が選ばれた。同グループが披露したのは、「Main Theme of LoveLive! Superstar!!」(ラブライブ!スーパースター!!)、「START!! True dreams」(Liella!)、「アイドルを辞める日」(MAPA)、「シンクロニティ」(乃木坂46)の4曲。赤から白へ対照的な衣装チェンジに加え、ひらひらと広がるスカートを活かしたターンや裾を持ってしなやかに踊る振り付けが印象的だった。

 受賞後には、昨年の夏予選で3位になりつつも、審査員票が6位と低かったことに悩んでいたと吐露。その対策として今回は構成やフォーメーション、セトリに頭を悩ませながら作ってきたと明かした。

 一方で準優勝に終わったことについては「この壁を越えられなかったのが、すごく悔しくて」と涙ながらに語る場面も。首都圏のチームが強いなか「関西だって強いんだぞっていうのをずっとずっと証明したくて。それが証明できなかったのが悔しい」と無念さをにじませていた。そのうえで「絶対にこれから関西は1位を取りに行くと思います」との意気込みを示し、後輩に夢を託しつつ、「関西をみなさん見てくださいね」と力強いメッセージを伝えた。

「やっぱりまかろん。」スカートがひらひらと揺れるしなやかな振り付けだ。

 3位には審査員順位5位、会場観客票1位、オンライン観客票3位、総合得点439点で、上智大学「SPH mellmuse」が選ばれた。披露したのは「Break a leg!」(ラストアイドル)、「KOKORO&KARADA」(モーニング娘。‘20)、「僕らはここにいる」(ベイビーレイズJAPAN)の3曲。白黒を基調とした2回の衣装チェンジに加え、表情豊かに可愛いもかっこいいも力強いも表現した一糸乱れぬダンスが高評価を得た。

 受賞後には、構成や演出を大きく変えて挑んだ大会で、第3位という結果に輝いたことに喜びのコメント。「新しいSPHもこれから皆さん一緒に応援してくださったらとてもうれしいです」と、今後の活動も見据えて元気よくコメントしていた。

3位の「SPH mellmuse」13人での一糸乱れぬダンスパフォーマンス。

【夏目坂46 優勝者インタビュー】

 大会で一番多い17人という大人数のパフォーマンスを行ったため、一人がズレると全体がすごくズレて見えるので、ひとりひとり細かいところまで合わせるところが大変でした。17名となると袖のリボンも一人4m使ってるので、そこが大変だったりしました。先輩しか意見を言わないみたいな感じはやめたいなと思って、1年生だろうと全員が一回意見を言う場を毎日のように設けることで、全員が意見をちゃんと持つというのが大事かなと思います。

 「渡り鳥たちに空は見えない」(NGT48)を選んだ理由は、夏目坂46の一曲目に合う曲っていうのがなかなか見つからなくて、その中で見つけた曲でした。NGT48さんが音源を先に出していて、パフォーマンスの映像がない時で、絶対に初パフォーマンスを見ようって発売日にみんなで見て、意を決してこれに決めました。

 3年前に夏目坂46を立ち上げた時は、決勝に運良く行くことができたんですけど、全然やっぱり優勝はほど遠すぎて、そこに行くことはないだろうなって思っていました。しかし、卒業の一番最後の大会で優勝できたことが夢のようですしすごく嬉しいです。

「渡り鳥たちに空は見えない」(NGT48)をパフォーマンスする夏目坂48。

【大会結果】
優勝:夏目坂46(早稲田大学)
準優勝:やっぱりまかろん。(同志社大学)
第3位:SPH mellmuse(上智大学) 
ベストドレッサー賞:Sparkle(福岡大学)
ベストアトラクティブ賞:さよならモラトリアム(慶應義塾大学)
ベストパフォーマンス賞:夏目坂46(早稲田大学)
マシェバラ企画 通し期間スマイルバトル1位:chocolat lumière(明治大学)

【出場チーム】
SPH mellmuse(上智大学)
君はトキシック(早稲田大学)
さよならモラトリアム(慶應義塾大学)
chocolat lumière(明治大学)
純白のアスター(O大学)
Sparkle(福岡大学)
成城彼女(成城大学)
炭酸メリリエット(K大学)
ちゅとらーず。(中部大学)
夏目坂46(早稲田大学)
na-nam(M大学)
ねむの木に片想い(S大学)
ヒトノカネデスシガタベタイ(C大学)
Prismile(早稲田大学)
やっぱりまかろん。(同志社大学)
敗者1位 Like(桜美林大学)
敗者2位 Tomboys☆(東洋大学)
敗者3位 禁断アドレセンス(東京女子大学)

(取材:はせいあい/撮影:Issey Nakanishi、はせいあい)