果たして暴走気味のチーフに視聴者はついていけるのか。8月22日に放送されたドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(TBS系)の第8話で明かされた喜多見幸太の過去に、疑問の声があがっているようだ。
救急救命チームの「TOKYO MER」を率いる喜多見医師(鈴木亮平)には、チーフに就任する前の履歴に1年間の空白が。医系技官の音羽(賀来賢人)は喜多見がテロリストを匿った疑いで逮捕・投獄されていたことを突き止め、本人に真相を直撃する場面があった。
「一度は口をつぐんだ喜多見ですが、土砂崩れで孤立した病院の非常用電源を独りで修理しながらトランシーバー越しに真相を語りました。喜多見は南米で働いていた時、現地の病院に担ぎ込まれたテロリストのエリオット椿(城田優)を治療し、捕まえに来た当局関係者に『彼はいない』とウソをついていたのです。翌日、椿は姿を消し、喜多見はテロリストを匿った罪で逮捕。赤塚東京都知事らの尽力で早期に釈放され、日本に舞い戻ったのでした」(テレビ誌ライター)
土砂崩れの危険が迫るなかで非常用電源を修理するも、むき出しの高圧電線に触れたことで心停止してしまった喜多見。そこに「待っていては救えない命がある」という喜多見の言葉を行動に移した音羽らが救出に駆け寄り、音羽の懸命な心臓マッサージで蘇生したのだった。
「入院中の喜多見を見舞った元妻で循環器外科医の高輪千晶(仲里依紗)は『全部しゃべっちゃったの?』と驚くことに。そして快復した喜多見がTOKYO MERに戻ると、音羽を含むメンバーたちがMERカーを洗車していたのです。どうやらメンバーたちは喜多見のことを許したようですが、視聴者からは《でもテロリストを逃しちゃったんだよね?》との疑問が寄せられることになりました」(前出・テレビ誌ライター)
世界中で事件を起こしているテロリストを治療し、当局の追跡から匿った喜多見の行動からは、さらなるテロ犠牲者を生む結果になる恐れが容易に予見できる。いくら人の命を救うことが使命の医者とは言え、正義感や倫理観の観点からは到底擁護することのできない愚行だったはずだ。
「公平に見て喜多見の行為が『テロリストへの加担』であることは確実。いくら医師として使命感にあふれる姿を見せたところで、許されるものではありません。しかし喜多見が歪んだ使命感を持って愚かな行為をしでかしたままでは、数多くの人命を救ってきたヒューマンドラマの本作にはそぐわないはず。おそらく喜多見が椿を助けたことには、視聴者も納得できる理由があるはずです。元妻の高輪(仲)や妹の涼香(佐藤栞里)はそれを知っているからこそ、喜多見を信頼し続けているのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)
果たして高輪はどこまで、元夫である喜多見の真意を知っているのか。第9話以降で明かされる喜多見と椿の関係からますます目が離せなくなりそうだ。