朝日奈央、「逃走中」の大活躍でウィキペディアが大混乱!?

 大活躍の陰で、大慌てした人たちもいたようだ。

 3月20日に放送された「逃走中 ~ハンターと偽ハンター~」(フジテレビ系)では21人の逃走者が参戦するなか、タレントの朝日奈央が見事、逃走に成功。賞金78万円をゲットした。

 残り3分16秒の時点で生き残りは朝日とマヂカルラブリー村上の二人のみ。ここで朝日は「ウィキペディアに書こう、逃げれたら。『逃走中逃げ切ったことある』って、自分で」と語っていた。

 そして村上もハンターに確保され、一人残った朝日は通路の階段下にうつぶせになって身を潜めながら、約2分間にわたってハンターをやり過ごすことに。やがてカウントダウンがゼロとなり、逃走に成功した朝日は「やったー、嬉しい! オーマイガッ」と歓喜しながら地面を転げまわり、全身でその喜びを表現していたのである。

「その結果に色めきだったのが、ウェブ百科事典『ウィキペディア』の編集者たち。午後9時47分に朝日が逃走に成功すると、瞬く間に『朝日奈央』の記事に《逃走中を完走したことがある》との説明が追加されました。ところがこれが、一大編集合戦の始まりとなったのです」(IT系ライター)

 ネットを利用している人ならほとんど誰でもお世話になったことのあるウィキペディア。数多くのボランティア編集者が日々、様々な記事を編集しており、朝日の記事は彼女がまだアイドリング!!!に加入する前、ティーン誌「ラブベリー」の専属モデルだった2008年1月5日に作成されていた。

 そして今回、朝日が番組中に要望した通り、ウィキペディアにも「逃走成功」の項目が追加されることになったのだが、その編集を巡って何度も“取り消し”が発生していたというのである。

「最初に追加された逃走成功の説明は“人物:特徴”の欄に記載されており、特徴には該当しないとして取り消し。すぐさま“来歴”の欄に追加されるも、今度は『出典なし』を理由に取り消されました。そこから何度も追加と取り消しを繰り返し、最終的に追加が確定したのは翌21日の午後5時15分のことだったのです」(前出・IT系ライター)

 しかし朝日が逃走に成功したのは、番組を観ている人なら誰にでも一目瞭然。それがなぜ“取り消し”措置を受けることになったのだろうか?

 それはウィキペディアにおける三大方針の一つである「検証可能性」が理由だ。これは記事の内容が誰にでも検証できるかどうかという基準であり、ウィキペディアの記述に関しては「真実であるかどうか」ではなく「検証可能かどうか」が問われているため。そのためテレビ番組として放送されたことで視聴者には明らかな結果であっても、番組自体は出典にならないとされている。

 それゆえ今回の「逃走中」を観た人が<朝日が逃走に成功>とウィキペディアを編集しても、検証が可能ではないことから取り消しされていたのである。

富士山をバックに逃走成功を喜ぶ朝日奈央。ウィキペディアも無事に更新された、朝日奈央公式ツイッター(@pop_step_asahi)より。

「この方針に従って何度か追加と取り消しが繰り返され、10時26分には朝日自身による『逃走中逃げ切りましたーー』とのツイートを出典として、完走した事実が記載されました。このツイートは『公表者自身についての情報源』として出典にすることが認められているものの、客観性には欠けることから追加の出典が求められることに。最終的には、リットーミュージックが運営する『耳マン』という情報サイトに『朝日奈央、「逃走中」で見事逃げ切り本当にウィキペディアも更新される』と題した記事が掲載されたことで、これを正式な出典として今回の編集合戦に終止符が打たれたのです」(前出・IT系ライター)

 朝日自身が「ウィキペディア」というサイト名を口にしたことで、過熱化した感のある今回の編集合戦。もちろん朝日に責任があるわけではなく、あくまでウィキペディアのルールに沿ったやり取りが行われただけだ。

 ともあれ今後は「逃走中」の公式サイトにて、放送終了と同時に逃走結果を公開すれば、今回のような混乱は避けられるのかもしれない。