【カムカムエヴリバディ】感動の最終回で、最後まで「回収されなかった」のは元カレだった!

 ついに4月8日に全112話の放送を終えたNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」。最後の週は怒涛の伏線回収となり、昭和26年に娘のるい(深津絵里)を置いてアメリカに渡った安子(上白石萌音/森山良子)のその後もきっちり描かれることとなった。

 最終回ではヒロインのひなた(川栄李奈)が初恋相手だった外国人の少年・ビリーに再会。そのビリーは本名ウィリアム・ローレンス(城田優)で、なんとひなたが講師を務めるNHKラジオ英語講座の出演者だったのである。

 このように母娘の100年にわたる物語が描かれてきた本作には、公式サイトの人物相関図だけでも安子編29人、るい編12人、ひなた編24人と延べ65人ものキャラクターが登場。安子やるいなど編をまたいで重複しているケースを除き、計57人のキャラクターが物語を彩ってきた。

 そのなかで最終回に至っても、回収されていない人物がいたというのである。

小学生の時に出会ったビリーと47年の時を経て再会していたひなた。ドラマ「カムカムエヴリバディ」公式ツイッター(@asadora_bk_nhk)より。

 どこまでを回収と捉えるかにもよるが、ひなたの彼氏だった五十嵐文四郎はハリウッドでアクション監督のブン・イガラシとして活躍しているところまでが描かれており、その後の行方は分からぬまま。それでも最終週までは出演しており、これで十分に回収したという判断かもしれない。

 同様に安子編では、実家の「御菓子司 たちばな」が戦災で焼失した後、出征した従業員たちのその後も描かれていない。るい編では町内会長で映画館館主の西山太(笑福亭笑瓶)のその後も分からぬままだが、彼らはヒロインたちとの絡みが薄かったことから、そのままフェードアウトして構わないということなのだろう。

「それに対して視聴者のあいだから『彼はどうなった?』との声が多くあがっているのが、るい編に出てきた弁護士の卵こと片桐春彦(風間俊介)です。彼はるいが人生で初デートした相手であり、るいの額の傷を見て絶句したことで、るいが心を閉ざすという重要な場面の張本人でもありました。このようにヒロインとの絡みもあったことから、いずれは大物弁護士などの立場で出演することも期待されていましたが、結局は行方も分からぬまま、彼のその後が明かされることはありませんでした」(テレビ誌ライター)

るいとの映画館デートに漕ぎつけるも、破局していた片桐。ドラマ「カムカムエヴリバディ」公式ツイッター(@asadora_bk_nhk)より。

 クリーニング店のおかみさんこと和子(濱田マリ)は最終週にて、岡山で開催されたジャズコンサートに招待され、店主の平助(村田雄浩)が身体を壊して遠い田舎に戻ったことを説明。また錠一郎がお世話になっていたジャズ喫茶マスターの木暮洋輔(近藤芳正)は、相当身体が弱っていたものの、岡山のコンサートに車いすに乗って駆け付けていた。

 このように大阪を映し出すことはないながらも、大阪の登場人物たちについてはその後が回収されていた最終週。そのなかで唯一、るいと別れて以降の行方が知れない片桐だが、そんな彼の「その後」が描かれる可能性に期待する視聴者もいるというのだ。

「NHK大阪放送局が制作する朝ドラでは、作中の要素をその後の作品に持ち越すケースが少なくありません。本作でもマンガ誌の『少年ギャグサーカス』や『B&K BEER』のビール瓶といったアイテムが、過去の作品から流用されています。それゆえ片桐も今後、大阪を舞台にした別の作品で、弁護士として出演する可能性がありそう。その弁護士事務所にるいとの思い出をイメージさせるアイテムがあったら最高ですね」(前出・テレビ誌ライター)

 ちなみに2022年度後期の朝ドラ「舞い上がれ!」は、ものづくりの町として知られる東大阪市を舞台の一つとしている。果たしてパイロットを目指すというヒロイン岩倉舞(福原遥)が、弁護士と交わる場面があるのか。今から半年後の作品が楽しみでならないカムカムファンも多いのではないだろうか。