自らのトークで番組全体を盛り上げる力に、彼女がテレビで引っ張りだこの理由が垣間見えていたようだ。
5月25日放送の「上田と女が吠える夜」(日本テレビ系)では、「うらやましいけど妬ましいヤツ」のトークテーマにおいて、フリーアナの馬場ももこが存在感を示したという。
馬場は学生時代の就職活動で、50社ものアナウンサー試験に落ちまくった経験を持つ。新卒時には地上波テレビ局には入れず、新潟・佐渡のケーブルテレビ局からキャリアをスタートさせたという雑草育ちだ。
それゆえ馬場は、女子アナが「たまたま試験に受かったの〜」と話すのが鼻につくと、プリプリ怒りながらトーク。その後の展開が秀逸だったのである。
「他の女子アナが鼻につくという話だけで終わるのであれば、“女の花園”の怖さがテーマの核になるところ。ところが馬場は『50社落ちた私としては羨ましい』と付け加えることで、しっかりと笑いに変えていたのです。自らをオチにするあたり、バラエティ番組での振る舞い方を熟知していますね」(テレビ誌ライター)
MCのくりぃむしちゅー上田晋也は「50社落ちてもめげずに?」と話を広げ、馬場に対して「DNAが雑草と同じ」とツッコむことに。これも馬場のトーク術あっての展開に違いないだろう。
そんな馬場のバラエティ術はトークだけに留まらなかった。番組後半で新たなゲストが登場すると、画面はゲストも含んだスタジオ全体を撮影することに。するとひな壇の一番端に配置された馬場は、画面からハミ出してしまったのである。
「自分が映ってないことに気づいた馬場は『画角から外れて映ってないんです! 映せって!』と椅子から立ち上がりながら自分の存在をアピール。これにはスタジオ一同が爆笑していました。さらには『映してよ! 声だけにしないでよー!』と声をあげる場面もあり、その声だけで番組を盛り上げていたのです」(前出・テレビ誌ライター)
馬場には、どんなことが起きてもネタに変換して笑いに換えるパワーがあるようだ。この場面では大声をあげた馬場の顔が大写しになり、彼女なら何かコメントして面白くしてくれるだろうという、番組スタッフからの信頼感が伺えた。
そういった期待を得るためには、数々の現場で信頼を積み重ねてくることと、自分をダシに使われることに対する気持ちの強さが必要だろう。馬場はその両方を持ち合わせていることを、今回もしっかりと示せたのではないだろうか。
(村松美紀)