アイドル好きの女子大生たちによる、熱くて負けられない戦いが繰り広げられた!
アイドルコピーダンスコンテスト「UNIDOL 2022 Summer」の関東予選が6月14日、15日の2日間にわたって東京・新宿ReNYで開催され、各日3組ずつの計6組が8月下旬に開催される決勝戦へと駒を進めた。
UNIDOL 2022 Summerではこの日の関東予選を皮切りに、全国5カ所で予選を開催。採点は審査員審査と観客投票に加え、「SPWN」を利用したオンライン配信の観客によるオンライン投票も実施された。
1日目の戦いで1位に輝いたのは、昨年も関東予選を1位で通過した「Bombs!」(筑波大学)。キレのあるダンスと表情豊かなパフォーマンスで観客投票、オンライン投票の両方で1位の票数を獲得し、前回王者の実力を見せつけた。終演後には「予選1位通過を目指して頑張ってきた。支えてくれたメンバー、家族、起爆班(ファン総称)のおかげ」と、感謝の言葉を述べていた。
Bombs!が心がけているのは“一夜限りのアイドル”として、ステージに上がってから降りきるまでは素の自分を見せずアイドルになり切ること。ダンス中はメンバー内で共有した、曲の歌詞やその捉え方・解釈に合わせて踊っているという。これまでの練習でやってきたことを思い出し、絶対に決勝に行くとの強い気持ちを持って挑んだとのことだ。
セットリストは毎大会、出場メンバーに合った“Bombs!らしさ”を大切にしているという。今回のメンバーで大切にしていたことは「多幸感」。そのうえで、独りよがりでない観客を巻き込める曲や、自分たちが今大会で成長したいことなどを盛り込んだ曲を選んだと語ってくれた。
2位に選ばれたのは「Prismile」(早稲田大学)。通称・プリスマは個性豊かなパフォーマンスと工夫された演出で、審査員審査では1位を獲得した。有名曲ではない隠れた神曲を使い、観客に新たな“好き”を提供した。
受賞後は「色々な方に支えていただいたぶん、プレッシャーもあった。名前が呼ばれたことがとても嬉しい。しかし予選通過1位を目指していたため悔しい気持ちがある。決勝でリベンジする」と強い意気込みを語った。
3位は「さよならモラトリアム」(慶應義塾大学)。通称・さよモラは今回も高貴なパフォーマンスを見せた。セトリはTikTokで話題となっている超ときめき♡宣伝部の「エンドレス」などを取り入れたノリやすいもので、会場観客票数は2位をとっている。
今回の結果については「さよモラの未来を観客にどうやったら見せられるか、苦悩する日々だった。予選1位通過を目指していたので、決勝では負けない」と強い思いを語ってくれた。
UNIDOLのイベントでは、シークレットゲストとして現役アイドルグループがライブを披露するのも楽しみの一つ。記者が取材した1日目には、結成11年目のアイドルグループ「愛乙女☆DOLL」が登場した。
愛乙女☆DOLLがステージで披露した「Passion for life」は<全力で憧れのステージへ…><喜びも悲しみも共に抱き誇れる仲間たち…>といった歌詞が特徴的な応援ソングであり、大会参加者たちにエールを送った形だ。
2日目の1位通過は「SPH mellmuse」(上智大学)。モーニング娘。’14の「What is LOVE?」や、NMB48の「シダレヤナギ」など4曲を披露し、観客を魅了した。
2位入賞の「chocolat lumière」(K大学)は、1年生から6年生の11人という大人数でのパフォーマンス。審査員審査では毎回高い評価を得ており、今回も審査員1位を獲得する実力で決勝戦へ駒を進めた。
3位で通過したのは、前回の冬予選では4位通過だった「Like」(桜美林大学)。今回は3位から6位までが3点差というUNIDOL史上まれにみる超接戦となり、僅差で夢舞台への切符を手にすることとなった。
なお関東予選から最後の決勝進出となる7枠目には、各日で4位となった「ももキュン☆」(早稲田大学)と「それからふくらむ可愛い頬を、」(慶應義塾大学)が候補に。予選大会とは別の審査員がパフォーマンスを審査し、6月19日(日)21時にUNIDOLの公式ツイッターにて発表の予定となっている。
この「UNIDOL」(ユニドル)とは、女子大生による大学対抗のアイドルコピーダンスコンテスト。2012年に第1回が開催され、今年で10周年を迎える。2019年の大会では全国から70チームが参加し、東京・新木場STUDIO COAST(当時)で開催された決勝戦には約3000人が来場した一大イベントへと成長している。
そんな栄えある舞台の主役は普通の女子大生。彼女たちは他の大学生と同様に普段は学業やアルバイトなどに勤しんでいる。そんな彼女たちが大学生活を捧げる場として選んだのが「アイドルコピーダンス」という世界。ダンスが上手いだけで評価されることもなければ、アイドルの「真似っこ」をするだけでもダメで、正解のない奥深い世界だ。
彼女たちはこの世界で頂点に立つため、毎日必死に練習し、悩み、もがき続けている。一人一人が本気で戦うステージはまさに彼女たちの涙と汗の結晶なのだ。
一方で関東予選の裏側では、学生たちによる実行委員会が演者たちをサポート。大会の運営はもちろん、動画配信も業者任せではなく自分たちで運用するなど、一から十までのすべてを学生たちが自分たちで運営しているのだ。このような人の心を動かす大会を、記者と同世代の学生たち作っているのかと思うと頭が上がらない。
8月下旬に開催される「UNIDOL 2022 Summer 決勝戦/敗者復活戦」には、全国5都市の予選を勝ち抜いたチームに加えて、敗者復活戦を勝ち上がったチームも参戦。この夏、UNIDOLが描く新しい歴史に今から目が離せない。
(神下芽衣)