決して悪くはないけど、これじゃないんだよ感が拭えない。そんな声が聞こえているようだ。
7月19日にドラマ「ユニコーンに乗って」(TBS系)の第3話が放送され、視聴率が7.8%にダウンしたことが分かった。第1話は8.7%で始まるも、第2話では8.3%と数字を下げ、右肩下がりのグラフを描いているのである。
「その一方でネットの声を拾ってみると、主人公で教育系スタートアップ企業CEOの成川佐奈(永野芽郁)と、共同創業者で佐奈への恋心を隠し持つ須崎功(杉野遥亮)のほんわかした恋バナにキュンキュンする視聴者が続出。酔っぱらって寝てしまった佐奈に『もしお互いに30になっても相手がいなかったら、その時は結婚するのもアリだよな』と功が話しかけた場面には、《功くんカッコよすぎる》《佐奈の気持ちを知りたいな》といった声が多数寄せられています」(女性誌編集者)
今どきのスタートアップ企業を舞台に据え、経済的な理由から大学に行けなかった佐奈が持ち前のガッツで仲間を集めて「ドリームポニー」を創業したという物語は、令和の時代にはピッタリ。第3話では栗木次郎(前原滉)との3人で学生ビジネスコンテストに挑み、見事に優勝を勝ち取ったシーンが、序盤におけるひとつのカタルシスとなったはずだ。
そして主人公の佐奈を演じる永野は安定の可愛らしさを発揮し、功や次郎との息もピッタリ。おじさん新入社員の小鳥智志(西島秀俊)もいい味を出しているのに、なぜ視聴率がついてこないのだろうか。
「現状では永野や西島の起用がオーバースペックに感じられますね。ドラマの出来自体は決して悪くないと思いますが、もはやスタートアップ企業が舞台である意味が薄れ、ほぼほぼ恋愛ドラマに振り切っている印象。この内容だと、もっと若手の女優をヒロインに据えた深夜ドラマ枠で十分じゃないかと思えてしまうのです。永野は昨年7月期に話題となった『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(日本テレビ系)以来の連ドラ出演ですが、今回の『ユニコーンに乗って』では正直なところ《永野芽郁の無駄遣い》と思わざるをえません」(前出・女性誌ライター
永野が演じる佐奈の役には、スタートアップ企業の創業者にふさわしいガッツや洞察力を感じさせつつ、なおかつ功を虜にするような美貌も求められる。そうなると実力派の永野がふさわしいのは納得だが、肝心のストーリーが永野を活かしきれていないのではないだろうか。
本作の脚本を手掛ける大北はるか氏は昨年7月期の波瑠主演「ナイト・ドクター」(フジテレビ系)や、2019年4月期の窪田正孝主演「ラジエーションハウス〜放射線科の診断レポート〜」といった月9ドラマも手掛けてきた実力者。それゆえ本作でも今後、スタートアップ企業やIT企業の実情に迫った骨太の物語を期待したいところだ。