この家族、肝心なことについてはあまり話し合っていないのだろうか。
7月25日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第76回は、青柳和彦（宮沢氷魚）との結婚を決めたヒロインの比嘉暢子（黒島結菜）が、家族に結婚を報告するシーンで始まった。
旧盆のタイミングで6年ぶりに一家全員が揃っていた沖縄の比嘉家だが、長男の賢秀（竜星涼）は前日の朝に「無性に働きたくなって」と暢子に言い残して帰京。そのため、暢子が和彦との結婚を決意したことは知らぬままだった。
この日は和彦が比嘉家を訪問。母親・優子（仲間由紀恵）からのリクエストに応じて「お義母さん、お嬢さんを僕にください。必ず幸せにします」との決まり文句と共に頭を下げ、優子も「ふつつかな娘ですけど、末永くよろしくうにげーさびら（お願いします）」と返したのだった。
「二人が帰京した翌日、賢秀から比嘉家に電話があり、結婚について知った賢秀は『ついに暢子も結婚かぁ。そうなると俺も長男としてビシッと決めないとやー』と宣言。その言葉に、これまでさんざん賢秀に迷惑をかけられてきた経緯もあって、長女の良子（川口春奈）は『くれぐれも変なことはしないでよ』と釘を刺したのでした」（テレビ誌ライター）
電話を切った賢秀は、勤務している猪野養豚場の娘・清恵（佐津川愛美）に迫り、両肩をぐわしとつかむことに。密かに賢秀を気に入っている様子の清恵は緊張するも、賢秀が給料の前借りを頼んだことで、すっかり拍子抜けしたのだった。
視聴者のほうも賢秀と清恵がいい仲に発展するのかどうかは気になっている様子。気の強い清恵なら賢秀を尻に敷くことができるとの期待感もあるようだ。だがそんな場面に、賢秀がトラブルメーカーであり続けるワケが潜んでいたというのである。
「賢秀からの電話で良子は『ニーニーはいまどこで何をしてるの？』と訊ねていました。これはなんとも不可解な質問であり、そんな基本的なことは賢秀が帰省しているあいだに問いただしておくべきだったのです。実家に戻ってきた当初は母親の優子が不在だったこともあり、4きょうだいだけで過ごしていたもの。賢秀に仕事や暮らしぶりについて訊ねる時間はいくらでもあったのですが」（前出・テレビ誌ライター）
久しぶりに家族全員で過ごした比嘉家だったが、なぜ誰も仕事や連絡先を賢秀に訊ねなかったのか？ トップ画像ともに©NHK
それとも優子の再婚話にきょうだい全員が気を取られてしまい、賢秀の居場所すら訊ねようとしなかったのだろうか。
「沖縄に住んでいる良子と歌子（上白石萌歌）はともかく、東京でもちょくちょく賢秀に会っている暢子は、養豚場に勤めていることくらいは知っているはず。今回も優子の再婚話を知った賢秀が暢子と一緒に帰省したのですから、普段からある程度の連絡は取り合っているわけです。それゆえ旧盆翌日の早朝に賢秀が帰京した時に、良子が暢子に『ニーニーは東京で何してるわけ？』と訊ねるのが普通の家族というものでしょう」（前出・テレビ誌ライター）
しかし姉妹間ではそんな話題が出ることもなかった良子たち。その程度の興味しか抱いていないからこそ、賢秀から度重なる迷惑をかけられてしまうのではないだろうか。
