【舞いあがれ!】冬子の「お疲れ」は舞と仲良くなるフラグ?久留美と同じように深い仲となれるのか!

 その真っ直ぐな心がきっと、相手にも伝わるのだろう。

 10月26日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第18回では、ヒロインの岩倉舞(福原遥)に大役が任されることになった。その場面で彼女の人間関係にもひとつの変化が表れていたという。

 航空工学を学ぶために浪花大学に進学した舞は、人力飛行機サークル「なにわバードマン」に入部。舞たち1回生3人は来る日も来る日も発泡スチロール製のリブ(翼の骨格)作りに明け暮れていた。

 他の男子学生二人は同じ作業の繰り返しにすっかり飽きている様子。それに対して元々飛行機が大好きな舞は「これが翼(よく)になる思うたらワクワクせえへん?」と嬉しそうだ。その表情に視聴者は、彼女の言葉が本心から出ていることをたちどころに理解したことだろう。

 すると機体設計を担当している3回生の刈谷(高杉真宙)から、1回生にフェアリングの制作を任せるとの指示が。フェアリングとは機体の表面を滑らかに覆う部材のことで、人力飛行機の場合はパイロットが搭乗するコックピットの“殻”に相当する重要なパーツだ。

 どうやら刈谷は手先の器用な舞に、発泡スチロールの削り出しという繊細な作業を任せたい様子。それは舞が入部からの1カ月で、先輩部員からの信頼を勝ち取ったことの証拠と言える場面だったのではないだろうか。

「そこに、2回生で女性パイロットの由良冬子(吉谷彩子)がロードワークから帰ってきました。『おかえりなさい』と迎えた舞に気づいた冬子は、舞の顔を一瞬凝視したあと『お疲れ』と返事をしたのです。その冬子は2日前の第16回で、リブに触ろうとしていた舞を『触ったらあかん!』とどやしつけていたばかり。リブを壊してしまい、修理を申し出た舞には『そない簡単なもんちゃうねん。帰り』とにべもない様子でしたが、どうやらこの1カ月で舞への態度が大きく変わっていたようです」(テレビ誌ライター)

 リブ作りという単純作業に文句ひとつ言わず、むしろ楽しそうに取り組んでいる舞。その姿からは、彼女の「飛行機が好きだ」という気持ちが冬子や刈谷などの先輩部員たちにもビビッドに伝わっていたことだろう。

 しかも今回、舞は実家にとんぼ返りしていた兄の悠人(横山裕)に、冬子のことを「かっこええんやで」と自慢していた。パイロットの冬子は男子でもかなわない量のトレーニングをこなし、しかも「しんどい」とは一言も言わない強い精神力の持ち主。そんな冬子を舞は心から尊敬しており、その尊敬が表情や態度の端々から冬子にも伝わっていたに違いなさそうだ。

舞と久留美の出会いは「触ったらあかん」という言葉から始まっていた。それが舞と冬子の出会いでも再現されていた。トップ画像ともに©NHK

 どうやらなにわバードマンの“紅二点”として、部員たちからの信頼を勝ち取っている舞と冬子。そんな二人の出会いが実は、第1回で示された出会いとそっくりだったというのである。

「本作の第1回では小3だった舞(浅田芭路)が小学校のうさぎ小屋で、スミちゃんと名付けたうさぎに餌をあげていました。するとクラスメートの久留美(大野さき)が『触ったらあかん。うさぎに触ってええのは飼育係だけ』と注意したのです。その出会いから久留美と親友になった舞は10年後、再び『触ったらあかん』と注意されることに。これが“伏線と回収”なのであれば、舞が冬子と深い仲になることも大いに期待できそうです」(前出・テレビ誌ライター)

 どうやら冬子が発した「お疲れ」という一言は、舞との強い信頼関係を築いていく第一歩を示すフラグだったのかもしれない。