あらためて振り返ると、実は妥当な審査だったようだ。
12月18日に生放送された漫才日本一決定戦「M-1グランプリ2022」(テレビ朝日系)の決勝にて、ウエストランドが優勝を果たした。その審査において、初めて審査員を務めた山田邦子の付けた点数が物議を醸している。
山田はトップバッターとなった「カベポスター」にいきなり、84点という厳しい点数を付けることに。100点満点方式とはいえ、80点台が事実上の「面白くなかった」に相当するM-1グランプリにおいて、84点は相当に低い点数となる。
ちなみにM-1グランプリ2017でマヂカルラブリーが酷評されたとき、上沼恵美子の付けた点数が83点だった。それと1点しか変わらない評価は、かなりの辛口評価だと言えるだろう。
この日、山田はファーストラウンド10組のうち、半数の5組に80点台を連発。他の審査員は松本人志と立川志らくが3組、塙宣之が2組、富澤たけしと中川礼二が1組、そして博多大吉はゼロだったことから、やはり山田の辛口審査が目立っていた形だ。
「ファーストステージでは最終決戦進出を有力視されていた男性ブランコや真空ジェシカが敗退。ラストの10組目に登場したウエストランドが3位に滑り込み、最終決戦で逆転優勝を果たす結果になりました。ウエストランドの優勝そのものは審査員票で7票のうち6票を集める圧勝でしたが、ファーストステージについては山田の審査に偏りがあったのではとの声が噴出しています」(芸能ライター)
ツイッターでは山田の審査に対して<バランスを壊している><初めてだとしても酷い>といった批判が続出。講評の際にカベポスターについて触れなかったことには<それはないでしょ>と呆れる声もあった。さらには<M-1ぶっ壊しに来たのか?>といぶかる視聴者もいたほどだ。
だが、各審査員の付けた点数をあらためて振り返ると、実のところ山田の審査が結果に悪影響を及ぼしたようなことはなかったというのである。
「ファーストステージは1位さや香、2位ロングコートダディ、3位ウエストランドという結果に。一方で山田以外の審査員による点数だけで順位を付けてみると、2位と3位が入れ替わるだけで、トップ3の顔ぶれは変わらないのです。それどころか10組全部で見比べてみても、真空ジェシカが5位タイから6位タイに落ちるだけで、順位への影響はほぼゼロ。つまり山田の付けた点数は数字こそ極端だったものの、実際には順位に応じた正当な審査だっただと言えます」(前出・芸能ライター)
なかには山田の審査について「メリハリがあって良かった」という声もある。ともあれウエストランドが山田を含む審査員6人の票を集めた圧勝だったことは、彼らの優勝にお墨付きを与えていることは間違いないだろう。