いよいよ3月28日の放送で最終回を迎える月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」(フジテレビ系)。1500万部突破の人気マンガを原作としており、視聴率もテレビ離れが進む令和の時代において一度も10%を割り込まない人気ぶりを見せている。
前回の第11話では「episode 2.5」と題して、第2~3話の「episode 2」で準主役的な活躍を見せた犬童我路(永山瑛太)がメインに。最終回は15分拡大版となり、我路の妹・犬童愛珠が死に至るまでの真相が明かされる模様だ。だがその最終回に、原作ファンから疑問の声があがっているというのである。
「第11話では連続殺人犯・羽喰十斗(北村匠海)の正体が判明。事件を追っていた猫田十朱刑事(松本若菜)が十斗に腹を刺されるも、とどめを刺される寸前に我路が助けに入る場面で終わっていました。この辺の流れは原作そのままですが、原作での同エピソードはもう終盤に入っており、このままでは15分拡大版の最終回を埋めることはまず不可能です」(原作ファンの女性誌ライター)
その一方で、最終回にはもう一つの疑問点もある。それは本来の主人公である久能整(菅田将暉)が、連続殺人事件のエピソードにはまったく登場しないという点だ。原作では刑事の回想シーンにごく小さな一コマだけ登場するにすぎず、物語的には完全に蚊帳の外。これでは最終回が主人公抜きで完結してしまうことになるのだが…。
「そこで制作陣が繰り出した裏ワザは、まったく関係ないエピソードと合体させること。原作の第2巻で描かれた新幹線車内でのエピソードを、我路のエピソードと並行で描くことにより、15分拡大版の尺をもたせるようです。どうにも無理やり感は否めませんが、あくまで合体であり改変でなければ、原作ファンとしても受け入れるべきかもしれません」(前出・女性誌ライター)
しかしこの最終回で本当に「改変」が行われないのか、視聴者としては疑わずにはいられないという。
「第11話のラストでは、猫田刑事が刺された現場を遠くから目撃した風呂光刑事(伊藤沙莉)がパニックになり、『警部、助けてください!』と電話していました。原作でも猫田の後輩である若手の男性刑事が同じように電話していましたが、第11話では風呂光刑事が何者かに布で口元を覆われる場面を描写。ドラマだけのオリジナルシーンが挿入されていたのです」(前出・女性誌ライター)
これまでもちょくちょく見られた「ドラマオリジナル」のシーン。今回は我路の存在を風呂光刑事から隠すためという理由が考えられるが、最終回ではそれどころではない大きな改変が危惧されているというのである。
「それはエピソード合体により登場する主人公の整と、風呂光刑事の仲が進展するという可能性です。本ドラマでは原作にない《恋愛要素》が物語の縦筋として機能しており、風呂光刑事はことあるごとに整の行動に一喜一憂していました。しかし第11話ではついに二人はまったく出会わないことに。このままでは恋愛要素を描くことができないので、最終回では《風呂光の恋心》を昇華させるための仕掛けが用意されるのではないでしょうか」(前出・女性誌ライター)
続編も期待されている「ミステリと言う勿れ」ゆえ、風呂光刑事と整の関係は発展しないほうが好都合との見方もある。果たして最終回で風呂光刑事と整はどんな絡みを見せるのか。そっちのほうがよっぽど「ミステリ」というものではないだろうか。