【カムカムエヴリバディ】人気記事ランキングで振り返る注目ポイント、1位はまさかの「考証ミス」!

 4月8日に最終回を迎えたNHK連続テレビ小説の「カムカムエヴリバディ」。翌週の4月11日にはさっそく次回作の「ちむどんどん」がスタートしたなか、朝ドラファンのなかには<カムカムロス>に打ちひしがれている人も少なくないようだ。

「伏線を張りまくった『カムカムエヴリバディ』では、最後の2週間で怒涛の回収劇を展開。最終回では2003年から2025年までの22年間が描かれるなど、激流のような急テンポについていくのが必死という視聴者も少なくなかったようです。ほぼすべての伏線が回収されたことでカタルシスは得られたものの、そのぶんロスの大きさも相当なもの。新作の『ちむどんどん』が沖縄の陽光のもと、明るい始まり方を見せたことで、ほっとした人も多いことでしょう」(テレビ誌ライター)

 そのドラマチックな展開で様々なネットニュースもにぎわせた「カムカムエヴリバディ」。本サイト「asageiMUSE」でも計137本の関連記事を掲載してきた。その人気記事ランキングにはカムカムファンの視点が反映されているはずだが、果たして視聴者はどんなポイントに最も注目していたのだろうか。

ひなた編でヒロインのひなたを演じた川栄李奈。

【asageiMUSE カムカムエヴリバディ 記事ベストテン】

10.「またもや“聖飢魔II”を匂わせる場面が映し出された!?」

 美術スタッフのイタズラ心なのか、作中ではやたらとヘヴィメタルバンド「聖飢魔II」に関するアイテムが登場。この記事では1月11日の第49回にて、るい(深津絵里)が買い求めようとしたレコードプレーヤーに、同バンドのヒット曲「FIRE AFTER FIRE」の銘板が貼られていたことを指摘した。

 なお4月5日放送の第109回では、ひなた(川栄李奈)が使っているノートパソコンに「RAIDEN」という銘板が。これは聖飢魔IIのドラム担当・ライデン湯沢へのオマージュに違いなく、終盤にまで聖飢魔IIが登場していたのであった。

ラジオやテレビ、レコードプレーヤーやCDプレーヤーといった電化製品に、聖飢魔IIオマージュがちりばめられていた。©NHK

9. 「ひなた編で25年ぶりに回収された安子編の伏線とは!」

 2月4日放送の第67回にて、商店街の福引で当てたラジオを点けたるいが、母親の安子(上白石萌音)について思い出した場面。ラジオからは「しょうしょうしょうじょうじ♪」の歌い出しで知られる童謡の「証城寺の狸囃子」が流れ、そのメロディーにるいは、かつて安子と一緒に聴いていた「The Hungry Raccoon」がフラッシュバックしたのだった。

 その流れで「カムカム英語」について思い出し、新聞のラジオ欄を見て、現代(昭和51年)にもラジオ英語講座が放送されていることを知ったるい。これを機に、それまで姿形を消していた「ラジオ英語講座」が表舞台に復帰することとなった。

8. 「算太の正体がるいにバレる?「安子編」から出演し続けているもう一人の人物とは!」

 かつて「御菓子司 たちばな」の再興資金を持ち逃げしていた橘算太(濱田岳)は、振付師のサンタ黒須として物語に再登場。自分の姪孫とも知らずにひなたと交流していた。本記事は算太の正体が、「荒物屋 あかにし」を営む赤螺吉右衛門の母、清子(松原智恵子/安子編では宮嶋麻衣)にバレるのではないかとの考察を紹介した。

 その算太は「回転焼 大月」を訪ねた際、店主のるいが自分の姪だと気づき、逃げ出すことに。その後、死期を悟った老年の算太は自らるいの元を訪れ、自分の正体を明かしたのだった。

7. 「岡田結実の登場に視聴者が沸くも、英語の間違いが露呈?」

 カムカムの記事で意外と高い人気を見せるのが、作中のミスや間違いを指摘するもの。この記事は本編の後に写真とその説明文を英語で紹介する「カムカムイングリッシュ」のコーナーに見られた間違いを紹介したものだ。

 1月17日放送の第53回では、雪衣を演じた岡田結実が「天才てれびくん hello,」の後輩二人と撮った記念写真を紹介。そこには《Seniors and Juniors. 先輩・後輩》との説明が入っていたが、その写真に先輩は岡田一人しか写っていないことから、「Seniors」(先輩たち)ではなく単数形の「Senior」であるべきと指摘するものだった。

6. 「ひなたの親友は一子の娘!そして一子は離婚していた!?」

 1月31日放送の第63回では、ひなたの親友として一恵が登場。その苗字が母親の野田一子(市川実日子)と同じ“野田”だったことから、<一子って離婚したの!?>という視聴者の声を紹介した。なお最終回に一子の夫として「夫の田中」が登場し、一子離婚説は否定されることとなった。

5. 「ひなたと安子は「太秦映画村」で繋がっていた!?」

 2月2日放送の第65回では、小学生時代のひなたが父親の錠一郎(オダギリジョー)に頼んで、オープンしたばかりの条映太秦映画村に連れて行ってもらった。この時点では将来、ひなたが映画村で働くことになるとは視聴者も知らなかったのだが、本記事では映画村が登場したことで、祖母・安子との繋がりができたと説明していた。

 それは安子が暮らしていた岡山の朝丘町商店街が、東映太秦映画村のなかにセットとして再現されていたから。現実とドラマの違いはあれど、同じ映画村で安子もひなたも撮影していたことから、時代を超えて祖母と孫が繋がっていたという話だった。

4. 「結婚、改名、大学…渡米後の安子=アニーが送っていた生活とは?」

 4月5日放送の第109回にて、その正体が安子であることが分かったアニー・ヒラカワ(森山良子)。そのアニーが渡米後、どんな生活を送っていたかに焦点を当てた記事だった。

 なお、結婚後の安子は本名が「安子・ローズウッド」となっており、アニー・ヒラカワという名前はハリウッドで活動する際のいわば芸名だった。だが本記事の執筆時点ではその経緯が明かされていなかったことから、安子はシアトルの大学で教鞭をとるヒラカワ氏と結婚し、ヒラカワ姓になったとの考察を紹介していた。

3. 「京都人なら分かる?ひなたがお嬢様の一恵や優等生の小夜子と同じ高校な理由!」

 2月11日放送の第72回ではひなたが、親友で茶道家の娘である一恵や優等生の小夜子と同じ高校に通っていることが明かされた。しかし学力レベルの異なる3人が同じ公立高校に通っているのは一見、不自然。それが昭和58年当時の京都では、決しておかしくないことを解説した記事だった。

 当時の京都では「小学区制」が敷かれており、住んでいる場所により進学できる公立高校が自動的に決まっていた。そのころは京都大学の現役合格を目指す生徒と、卒業後は就職する生徒が机を並べている光景は、なんら珍しくなかったという。

高校の場面ではひなた、一恵、小夜子が机を並べていた。©NHK

2. 「アニー・ヒラカワは安子ではない?その名前に隠された秘密とは」

 本記事は、アニーの正体が安子だと明かされる前の時点、3月25日放送の第102話を受けて掲載されたもの。当時は<アニーは安子の親友>という考察も根強く、その観点から書かれたものだった。

 その根拠は、ヒラカワという姓が「カムカム英語」の創始者である平川唯一氏に繋がるから。アニーは平川氏の係累であるとし、安子とはシアトルで親友だったと考察したものだ。結果的にその考察は誤りだったが、アニーが平川氏にあやかってヒワカワという芸名を付けたことは後に本人から明かされている。

1. 「るいの号泣シーンに『時代考証ミス』を発見!?」

 カムカムエヴリバディの関連記事で最も人気が高かったのは、意外にも作中のミスを指摘するものだった。12月22日放送の第38回では、算太を探しに大阪に行った安子が雨のなか、疲労で倒れてしまい、ロバートに看病されている場面が描かれた。

 まだ6歳だったるいは母親の安子を探しに単身、岡山から大阪まで鉄道で移動。安子を見つけるも、ロバートと抱き合う姿を見て「裏切られた」と感じたのだった。雨のなか駆け出したるい。そのるいが持っていた黄色い傘では、骨を支える部品の“ロクロ”が白いプラスチック製となっており、昭和26年にはそぐわない現代の傘が使われていたのだった。

この場面ではプラスチック製の部品が見えてしまっていた。©NHK