そんな純の姿には、彼女のことをそばで見てきた友達のような感覚を覚えたという視聴者も多いのではないだろうか。
「アリスは過去の出演作品で、農業高校の生徒や恐妻、クラブ嬢からゾンビまでと、クセの強いキャラクターをこなしてきました。それが今回のバリキャリ役では、仕事に打ち込んで女をサボってきたという設定から『泣く女は嫌いだ』『失恋して泣くとか、ほんとバカみたい』といった強いセリフを、どこか強がりながらも凛とした表情で言ってのける演技が印象的。アリスが持つ芯の強さを垣間見ている気分になりそうです」(テレビ誌ライター)
その「恋マジ」で視聴者がストーリーに没入できる理由の一つは、広瀬に人間くさい役がとにかく似合っていることにありそうだ。10代のころにはキラキラした学生役もあったが、20代になってからは人間らしさを感じるリアルな日常を表現することに長けている様子も感じさせている。
一方で本作では、揺れ動く心模様や濃厚な人間関係が描かれるなか、桜沢本人の口からは自分の感情を説明するようなセリフがあまり出てきていない。それは表情や仕草、目線で訴える演技が印象的かつ生々しく、広瀬の演技力だけで主人公の感情さえもが表現できていることの表れではないだろうか。
「アリスはコロコロと変わる表情に親しみやすさを感じさせる一方で、シリアスな場面では迫真の演技で空気を一変させられる女優。そんな一面が『恋マジ』では存分に発揮できているようです」(前出・テレビ誌ライター)
今後、王道ラブストーリーの展開が待っていることも予想される「恋マジ」。感動や共感で涙なしには観ることができない回も期待されるが、アリスの演じる桜沢に「泣く女は嫌いだ」と言われてしまうのも悔しいところ。ここは視聴者としても涙をグッとこらえて観るのがよさそうだ。
(村松美紀)