【ちむどんどん】医者の発言すら捏造?暢子の妊娠を巡って世の母親たちが激怒していた!

 いくらなんでも妊娠をなめすぎている! そんな怒りの声が殺到しているようだ。

 8月22日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第96回では、ヒロインの青柳暢子(黒島結菜)が妊娠2カ月であることが判明。2カ月後に沖縄料理店のオープンが迫るなか、暢子は出産・子育てしながら店を切り盛りしたい様子だ。だがそれらの描写に視聴者から怒りの声が噴出しているという。

 暢子はさっそく沖縄やんばる地方に住む母親の優子(仲間由紀恵)に電話で相談。自分は沖縄料理店の開店を諦めたくなく、「両方やりたい、頑張りたいと思っている」との想いを伝えていた。その場面で明らかにおかしなセリフが飛び出したのである。

「暢子は医者の見立てについて『いまのところ十分に気を付ければ問題ないって言ってくれてる』と説明。このセリフに《適当なことを言うな!》《母体の健康をガン無視》との批判が殺到しています。いったいどこの世界に、妊婦が一人で料理店を切り盛りすることに『問題ない』と無責任なことを言う医者がいるのでしょうか。医者の発言を捏造しているも同然であり、倫理的にも到底見過ごせない話。《ドラマだから》という言い訳では許されず、もはやBPO案件とさえ言える問題あるセリフですね」(子育て中の女性誌ライター)

 そんな捏造レべルの発言に留まらず、暢子からはほかにも辻褄の合わないセリフが飛び出していた。暢子は母親に対して「うちはお店を諦めたくない。両方やりたい。頑張りたいって思ってる」と、料理店を続けたい意思を熱弁だ。

 ところが続けて、おなかに赤ちゃんを宿していることについて涙が出るくらいに嬉しいと語りつつ、「それよりも大事なものとか何もないと思う」と言い放ったのである。つい先ほど<両方やりたい>と言ったばかりなのに、いきなりの矛盾した言葉に視聴者も開いた口がふさがらなかったことだろう。

 しかも視聴者が呆れはてるセリフは暢子のみならず、4人の子供を出産した母親の優子からも飛び出していたのである。

「優子は、まずは元気な赤ちゃんを産むことが最優先と言いつつ、『それさえちゃんとできれば暢子がちむどんどんしていける姿を生まれてくる子供に見せたらいいさ』と語っていました。しかし問題は妊婦の暢子が一人で店を切り盛りすることにより、妊娠や出産そのものに危険が及ぶことにあるはず。ところが優子のセリフでは赤ちゃんを産むことはもはや当然で、その後の話を主題にしています。これは出産の大変さを知る母親の口からは、絶対に出てこない言葉ではないでしょうか」(前出・女性誌ライター)

 娘が妊娠しているならば、その母親は誰よりも娘の母体を心配するもの。視聴者から<出産は命がけだって一番分かっているのは優子さんだよね?>という声があがるのも当然だろう。ところが今回のエピソードでは、暢子の身体を本当に心配しているのは、彼女が働いていたイタリア料理店「アッラ・フォンターナ」の大城房子オーナー(原田美枝子)ただ一人だけ。他は誰一人として出産にまつわる危険には目を向けず、「両立は可能」と後押ししているのだ。

暢子の妊娠報告を受け、開業の延期を命じた房子。今回のエピソードにおける唯一の常識人だ。トップ画像ともに©NHK

 横浜・鶴見で沖縄県人会の会長を務める平良三郎(片岡鶴太郎)の妻で、暢子が披露宴で着用した琉装を用意してあげた多江(長野里美)も、「さすが優子さんね。私も両立できると思ってたの」と主張。自分が妊娠している時は夫の三郎が出征中で、代わりに家業を切り盛りしていたと明かしていた。

 しかし多江の場合、三郎の家族や自分自身の実家など、サポートしてくれる人が周りに大勢いる環境だったはず。それに対して暢子は一人で沖縄料理店を開業する予定で、しかも店の場所は縁もゆかりもない東京・杉並だ。鶴見からは電車で1時間かかる距離であり、何かあった時にもすぐには駆け付けられない遠さなのである。

「最も問題なのは、制作側が妊娠や出産の大変さに無理解なことを露呈している点でしょう。母子ともに命の危険に直面するケースは少なくないのに、登場人物たちは出産と料理店の両立しか話題にしないという異様さです。かつて制作陣は《僕たちおじさん3人は料理の知識が全くないんです》と開き直っていましたが、今回はもしや《妊娠の知識が全くないんです》とでも言い張るつもりなのか。その無責任ぶりは歴代の朝ドラを振り返っても抜きんでているのではないでしょうか」(前出・女性誌ライター)

 医者の発言すら捏造するくらいだから、今回も開き直りの精神を発揮しているのかもしれない。