いくらドラマの撮影だからといって大丈夫なの? NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」のドライブシーンに、そんな疑問の声が寄せられているという。
1月13日放送の51話では、ヒロインのるい(深津絵里)がキザなトランぺッターのトミー(早乙女太一)からダブルデートに誘われることに。トミーはライバルのジョー(オダギリジョー)と、ジョーにお熱の女子大生ベリー(市川実日子)も誘い、ドライブデートで海岸を目指すことになった。
良家の子女であるトミーは、ドイツ車の「カルマンギア Type1」をさっそうとドライブ。ナンバーは「き 1031」で、名前の北沢トミーにちなむという念の入りようだ。そのドライブシーンにこんな声があがっているという。
「4人がドライブしているシーンは車体に映る景色の動きから見て合成ではなさそうですが、車体の先端が映っていないことから、カメラを載せた別の車両に牽引してもらっているのでしょう。そうなると問題になってくるのが、誰もシートベルトをしていないこと。被牽引車の乗員は運転中の車に乗っているのと同じ扱いになるので、シートベルトの装着義務があるはずとの指摘が出ているのです」(乗り物ライター)
私有地での撮影ならシートベルトをしなくても大丈夫だが、作中のドライブシーンは公道を走行。ドラマの公式ツイッターでも「ドライブシーンは淡路島で撮影されました」と紹介しており、海岸沿いの公道で撮影していたことは明らかだ。そうなるとNHKでは演者に、シートベルト装着義務違反という道路交通法違反をさせていたのだろうか?
「その心配はありません。日本でシートベルトの設置が義務化されたのは1969年(昭和44年)のこと。それ以前に登録された車両はシートベルトがなくても違反にならず、乗員にも装着義務がないのです。『カムカムエヴリバディ』の時代設定は51話の時点で1963年(昭和38年)ですので、作中ではその当時に登録された旧車を使っているのでしょう。なお外車の場合は日本に輸入された時期が基準になるので、いくら旧車でも1969年以降に輸入されていればシートベルト設置が必須。つまり今回の『カムカムエヴリバディ』に出てくるカルマンギアは、それ以前に輸入されていたガチな旧車ということになります」(前出・乗り物ライター)
50年以上も前の輸入車にもかかわらず、ピカピカな車体とご機嫌なエンジンフィールを見せてくれたカルマンギア。昭和38年当時を再現するのに最高のアイテムを用意することができていたようだ。