【ちむどんどん】手切れ金詐欺まで働く賢秀に「三姉妹が上京する壮大な前フリ」説が浮上!

 ここまでとことんダメな男だったとは…。視聴者ももはや呆れ果てているようだ。

 5月25日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第33回では、比嘉家の長女・良子(川口春奈)がついに喜納金吾(渡辺大知)からの求婚を承諾。良家が顔合わせをする場面が描かれた。

 以前から同じ教員で勉強会仲間の石川博夫(山田裕貴)に恋心を抱いていた良子だが、金吾からプロポーズされたことを伝えても「君自身の決断、僕は関係ない」と煮え切らない態度の博夫に失望。恋心の破れた良子はついに、金吾の求婚を受け入れていた。

 ところがここで、その縁談が台無しになりそうなトラブルが始まることに。それは東京から舞い戻ってきた長男・賢秀(竜星涼)の仕業だったのである。

「良子に想い人がいることを知った賢秀は、金吾の父親で製糖会社社長の銀蔵を名護のハンバーガーショップに呼び出し、良子の元カレがつきまとっているとのウソを吹聴。しまいには『結論として、手切れ金を用意してください』と丸め込み、10万円の要求を飲ませたのでした。もちろん賢秀の話は真っ赤な嘘で、その10万円を懐に入れるための詐欺も同然。かつて同じ店にて投資詐欺に遭い、960ドル(当時のレートで約30万円)もの大金をだまし取られていた賢秀が、今度は自分がダマすほうに回ったワケです」(テレビ誌ライター)

 そんな賢秀の振る舞いには視聴者から<俺がぶん殴りたい><もう弁護できない>といった批判が続出。その怒りは荒唐無稽な物語を生んだ制作側にも向い、<演者さんが気の毒だ>という声まであがっていた。

 しかも今回は、引っ込み思案の妹・歌子(上白石萌歌)もなぜか勇気を発動し、博夫が勤める名護の小学校に突撃。初対面の博夫に「ネーネーが結婚してしまっても幸せですか? 幸せじゃないならネーネーを止めてください」とけしかける始末だ。それはアメリカ映画「卒業」さながらに、結婚直前の良子を奪いに行ってくれと頼んでいるようなものだろう。

 この時点でもはや、良子の縁談は破談したのも同然だと言えよう。比嘉家にのしかかっている借金問題も解決しないこととなり、どうにも救いのない話に思えるが、これら一連の出来事は壮大な前フリになっていると予想する視聴者もいるというのだ。

「これで破談になれば、地元の有力者である喜納製糖の御曹司と社長、そして紹介者で地域の役員を務める前田善一(山路和弘)の顔に泥を塗るのも同然。人と人の結びつきが重要な地域社会ではもう、比嘉家の居場所はなくなるでしょう。賢秀がまたぞろ逃げ出すのはもはや目に見えていますが、この調子では良子や歌子も居場所がなくなるのは確実。そうなったら先に上京したヒロインで次女の暢子(黒島結菜)を含めた4きょうだい全員が、山原村から逃げ出すことになりそうです」(前出・テレビ誌ライター)

 もとより歌子は、上京してしまった幼馴染の砂川智(前田公輝)を想い続けており、美人で歌も上手なことから、東京で歌手の道を目指すこともできそう。暢子が下宿している横浜・鶴見の沖縄料理店で、沖縄民謡を披露する仕事もありそうなものだ。

 そして良子は小学校の教員免許を持っているので、それこそ日本中どこでも働けるはず。当時は第二次ベビーブームの真っ最中で、子供の数は増える一方。昭和57年(1982年)まで教員数も増え続けていたので、上京して教員採用試験に受かることもできたに違いない。

良子に対して、博夫への想いを問いただす歌子。トップ画像ともに©NHK

「さすがに借金の当事者である母親の優子(仲間由紀恵)は家から出るわけにはいかないものの、良子と暢子からの仕送りを借金返済に充てるので、むしろ周りも優子を村に留めるはず。結果として比嘉家の美人三姉妹は、金吾の縁談話をきっかけに全員が上京する可能性もありそうです」(前出・テレビ誌ライター)

 ヒロイン暢子の上京後も、沖縄に残った家族の話が同時並行で描かれてきた「ちむどんどん」。それは良子と歌子がいずれ、東京の暢子に合流する物語を描くための、壮大な前フリだったのかもしれない。