どうやら視聴者層にしっかりとマッチしているようだ。
12月28日に生放送される音楽番組「発表! 今年イチバン聴いた歌#年間ミュージックアワード2022」(日本テレビ系)の第一弾出演者として、工藤静香や今井美樹らの名前が発表。一部から疑問も寄せられるなか、視聴者からは歓迎の声もあがっているようだ。
同番組は【「サブスク」×「テレビ」でお届けする新たなアワード】との触れ込みで、音楽を聴く手段としてサブスクがメジャーな存在となった2022年を象徴。番組内ではApple Musicの年間ミュージックランキングTOP100を発表するほか、昭和・平成・令和の曲から今年イチバン聴かれた曲も放送する予定だ。
12月16日の第一弾発表では工藤や今井が「90年代を代表する楽曲を披露」すると紹介。12月21日の第二弾発表では浜崎あゆみや斉藤由貴の名前もあげられている。このラインアップには同番組が標榜する「全世代が一緒に『今年聴かれた歌』を楽しめる番組」という狙いがしっかりと示されているようだ。
「一部では工藤らの出演を巡って、今年一番聴かれた楽曲ではないとの指摘も出ています。たしかにあらゆるサブスクチャートを見回しても工藤や今井の名前はなく、21世紀序盤を代表する歌姫の浜崎でさえランキング100位には顔を出していないのが現状です。ただそれは、サブスクを利用する中心的な世代が20~30代の若者だからこそ。工藤や浜崎のヒット曲をリアルタイムで聴いていた世代は、サブスクで往時の名曲をしっかりと楽しんでいるのです」(音楽ライター)
試しにApple Musicで確認してみると、1980年代のカテゴリーでは「1980年代-邦楽-ベスト」にて、工藤の「MUGO・ん…色っぽい」がランクインしている。
特定のアーティストを特集する「アーティストプレイリスト」では邦楽と洋楽が入り混じるなか、邦楽の上位10名は松田聖子、尾崎豊、中森明菜、Wink、松任谷由実、BOØWY、チェッカーズ、矢沢永吉、工藤静香、TM NETWORKという顔ぶれだ。
このなかで年末の第73回NHK紅白歌合戦に出場するのは工藤と松任谷の二人だけ(※松任谷は「松任谷由実 with 荒井由実」名義)。その意味で工藤は2022年現在において、サブスクでもリアルでも聴かれ続けているアーティストの一人だと言えるのではないだろうか。
「サブスクは若者ばかりが使っている印象が強く、20代では70%以上、30代では65%前後と高い数字を示しています。ただ浜崎世代の40代でも50%を超えており、工藤と同年代の50代でも実に40%ものスマホユーザーがサブクスを利用しているのです。若い時にCDを購入していた40~50代は、CDを探さなくても済むサブスクの簡便さを歓迎しており、懐メロを聴きまくっているのが実情。チャートにこそ現れないものの、工藤の楽曲も相当サブスクで再生されているはずです」(前出・音楽ライター)
しかもテレビのメイン視聴者はやはり中高年層が多いことから、若者の嗜好に沿った最新ランキングだけでは視聴者を繋ぎとめるのが難しいもの。そこはやはり工藤や浜崎といった往年のビッグネームが求められるのも当然だろう。
それゆえ中高年層の視聴者は工藤らの出演を歓迎。数あるランキング1位のヒット曲からどの曲を歌ってくれるのか、興味津々のようだ。